自然界では、インコは木の枝にとまって過ごしています。

インコの足も木の枝に止まるような構造になっており、ケージの中に止まり木を設置するのは必須です。

この記事では止まり木を選ぶ際に注意したい太さや種類の特徴について解説します。

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止まり木の太さや選び方について

インコの止まり木を選ぶ際に注意したいのはその太さです。

 

止まり木が細いとインコは足をギュッと掴んで止まる必要があります。

そのため、足の筋肉を鍛えることができますが、反面、足を怪我していたり、加齢や病気などで筋力が弱いインコは上手く止まることができなくなってしまいます。

また、止まったときに爪が浮いている状態になっていると、爪が伸びすぎる原因にもなります。

 

太めの止まり木はちょこんと乗るだけでいいので、足の筋肉を使いません。なので老鳥でも問題なく使用できます。

足の大きさに対して太すぎる止まり木ばかり使っていると、足の”掴む力”が衰えてしまう可能性もあります。

また、足の裏の一部に負担がかかり過ぎて足の病気リスクが上がってしまいます。

 

どちらにも一長一短があります。

もっともベストな太さは細すぎず、太すぎず、インコが止まった時に前後の爪でしっかりと枝を掴めているくらい。

前の爪と後ろの爪との間隔が、止まり木の円周の3分の1くらいのものがベストです。

1センチくらいの細めのりんごの止まり木に止まっているアキクサインコぴこ。

しっかりと掴めていますね。

ただ、安定するためにはちょっと足の力が必要かもしれません。

太さ約2センチの栗の止まり木を使っているアキクサインコぴこです。

掴むというよりも”乗っている”という感じで使っていますね。

 

鳥さんは種類によって大きく体格が違います、また同じ種であっても個体差で足の大きさが違います。

あくまでも”目安”ですが、鳥さんの種類と大まかなオススメの太さを紹介します。

・キンカチョウや文鳥などの小型の鳥→1センチ以下の細い止まり木

・インコ・→1.2センチ前後

・オカメインコ→1.5センチ前後

 

…個人的には、いくらちょうどよい太さの止まり木とはいえ、まったく同じ太さの止まり木ばかり乗っていたら足の同じ部分ばかりに負担をかけますし、インコも楽しくないでしょう。

細い止まり木、太い止まり木、いろんな太さの止まり木を複数設置してあげるのがベストだと思います。

そうすれば、止まり木ごとに力の入れ方も違ってきますし、インコも飽きずに楽しめるのではないでしょうか。

 

では次に、止まり木の種類とその特徴を紹介します。

加工木の止まり木

自然木の止まり木はもっともポピュラーな止まり木です。

わたしも最初はケージを購入していた時にセットになっていた加工木の止まり木を使っていました。

ケージに付属していた止まり木は太さは1.2センチで、表面に凹凸がなく真っすぐな形状をしています。

 

長年、何も考えずに加工木の止まり木を使っていたのですが、インコの足のことを考えると加工木の止まり木には問題があるようです。

わたしが持っているインコの飼育書にこんな記載があります。

ケージに付属の止まり木は、太さが均一なのでいつまでも足裏の同じ位置に体重がかかり、足にタコができる趾瘤炎(しりゅうえん)の心配もあります。

できれば自然木タイプに交換してあげましょう。

参照元:インコ 長く、楽しく飼うための本

自然の中には加工木の止まり木のようにツルツルした枝は存在しません。

どの枝も、太さは違うし、表面の質感は違うし、匂いも、硬さの違います。

1年中ず~っと、まったく同じ加工木の止まり木に乗っていたら足に悪いのもわかる気がしますね。

趾瘤症(しりゅうしょう)・趾瘤炎(しりゅうえん)・バンブルフット

趾瘤炎は、別名、趾瘤症(しりゅうしょう)やバンブルフットとも呼ばれる足の病気です。

何らかの原因で足の裏の皮膚が傷つき、細菌感染や炎症が発生します。足の裏にマメや魚の目のようなのができたり、腫れ上がったりすることがあります。

☆趾瘤症になる原因

  • 太さの合わない止まり木を使っていた。
  • 太さが均一な止まり木で足の同じ場所ばかりに負担がかかっていた
  • 免疫力が低下していた
  • ケージの中が不潔な状態になっている
  • 太り過ぎ
  • 栄養バランスの悪い食事
  • サンドパーチで足の裏を傷つけた

もしインコが足を引きずるとか、なんだか痛がっている様子を見せたら、すぐに病院に連れていってあげましょう。

自然木の止まり木

自然木の止まり木は、殺菌消毒した枝をそのまま止まり木に加工したものです。

自然の枝は、たとえ同じ種類だったとしても、1本1本太さや質感が違います。

根元と先端の太さも若干違ってきます。

この”違い”がインコにとってはとても大切です。

足の力の入れ方も、足の裏の止まり木が触れる場所も違ってくるので、足の筋肉を鍛えたり、足の病気を予防することができます。

 

自然木の止まり木といっても、いろんな種類があります。

それぞれに表面の特徴や形、色が違いますので、自分のケージのディスプレイに合わせたセッティングも楽しめます。

りんごの止まり木の特徴

りんごは硬さや色、表面の質なども含め、もっともスタンダードな止まり木です。

適度な柔らかさを持っているので、迷ったらりんごの止まり木を選んでおけば問題ないでしょう。

梨の止まり木の特徴

梨の止まり木は色が濃く、りんごの止まり木に比べて少しだけ柔らかめの木質をもっています。

よく見ると表面に筋状の凹凸があり、掴みやすそうな形状をしています。

栗の止まり木の特徴

栗の止まり木のいちばん大きな特徴は、その硬さです。

りんごや加工木の止まり木などの比べてもかなり硬めなので、止まり木を齧ってすぐにボロボロにしてしまうような鳥さんにもオススメできます。

桃の止まり木の特徴

 

桃の止まり木はオレンジ色で凹凸の多い表面が特徴です。

木質はりんごの止まり木よりは柔らかめで、爽やかな香りします。

 

このような自然木の止まり木はDIYで自分で手作りすることができます。

自然木止まり木をハンドメイドで作成する手順

今回紹介したフルーツの止まり木は、私自身がハンドメイドで作成してネットやフリマアプリで販売もしています。

メルカリでの販売はこちら

ミンネでの販売はこちら

ヒモの止まり木の特徴

ヒモなので柔らかくて足に優しいのが特徴です。

止まると揺れるので、インコの楽しみにもなり、ストレス解消にもつながります。

セッティングによっていろんな形になるのも面白いですね。

 

ヒモの止まり木ばかりだと、足場が安定しないのでインコのストレスになってしまうかもしれません。

ですが、普通の止まり木のなかにひとつだけヒモの止まり木を設置しておくのもインコ的には楽しめるのではないでしょうか。

ブランコ型止まり木

自然界にある木の枝は、風が吹くと揺れます。

ですが、ケージに設置した止まり木はまったく揺れることはありません。

まったく揺れないので、止まり木を掴む足の力も鍛えられないのだとか。

 

その点、止まると前後に揺れるブランコ型止まり木は、止まり続けるのに足の力が要ります。

揺れるので、インコの楽しみやストレス解消にも繋がるでしょう。

 

市販のブランコには鈴がついているものも多く、鈴を鳴らして遊ぶのが大好きなインコもいるとか。

 

ちなみに我が家のアキクサインコは、ブランコ型の止まり木が苦手。せっかく買って設置しても、まったく乗りませんでした…。

インコによって好きな止まり木や、苦手な止まり木があるようですね。

サンドパーチ

サンドパーチはその名の通り、表面に砂(サンド)を糊付けした止まり木です。

砂で表面がザラザラしているので、インコの爪の伸びすぎを予防することができます。

なんだか良さそうな感じですが、私が所有している数冊のインコの飼育本では、すべてでサンドパーチをオススメしていませんでした。

 

というのも、サンドパーチはインコの足には刺激が強すぎるから。

確かに爪が研げるのかもしれませんが、足の裏を擦って傷つけてしまうかもしれません。

かじるのが好きなインコの場合、この糊付けされた砂をガリガリかじって飲み込んでしまうことがあります。

また、サンドパーチは外国産のものが多く、使われる”糊”が安全かどうかもわかりません。

 

サンドパーチをお勧めしていない獣医さんも多いです。

もしサンドパーチを使いたいのなら、事前にかかりつけの獣医師さんに相談してみるのがいいかもしれませんね。

止まり木の選び方まとめ

オカメインコとセキセイインコでは、足の大きさや体重が違いますし、止まり木の最適な太さは違います。

コザクラインコとボタンインコでも違いますし、同じ種でも個体によって性格が全然違うので、好きな止まり木も違ってくるかもしれません。

 

いろんな止まり木を試してみて、お気に入りの1本を探してみるのがいいですね。

 

ちなみに臆病なインコの場合は、新しい止まり木を警戒してすぐに止まらないことがあります。

好奇心旺盛なインコはすぐに止まりますが…。

新しい止まり木を試す場合は、すぐに止まることは期待せずに、長い目で見て少しずつ慣れさせていきましょう。