インコにとって日光浴はとても大切な習慣です。

日の光を浴びること、外の風を感じることは、室内のインコにとってとても良いストレス解消になります。

ですが、日光浴にはもっと大切な役割があります。

 

それは、ビタミンD3の生成です。

人間も含めた多くの陸棲生物は、日光浴で浴びられる紫外線によって体内でビタミンD3を生成することができます。

ですが、屋内で飼育されているインコは日光の不足によりビタミンD3の欠乏症になることが多いと言われています。

特に日照時間の短い冬場は注意が必要です。

 

日光浴をしないとどうなるの?

インコの日光浴の正しいやり方は?

日光浴はどれくらいのペースでやればいい?

インコの日光浴に関する知識をまとめて紹介したいと思います。

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日光浴が不足するとどうなる?

インコの日光浴には、体内でビタミンDを合成するという大切な役割があります。

もしビタミンDが不足してしまうと、カルシウムの吸収が阻害されます。

  • カルシウム欠乏症
  • クル病
  • 骨軟化症
  • 骨折
  • 骨粗鬆症

カルシウム不足により骨が弱くなってしまいまい、このような症状があらわれてしまう可能性があります。

特にメスのインコの場合には、卵が卵管に詰まってしまう「卵秘」(らんぴ)や産卵後に卵管が外に出てしまう卵管脱(らんかんだつ)などのリスクがあがってしまうので注意が必要です。

適切な日光浴の方法

日光浴に最適な時間や頻度は?

インコの日光浴は、天気がよければ毎日行います。

大自然の中のインコは毎日、太陽の光をいっぱい浴びてますからね。

 

毎日が無理でも、最低でも週に1~2回程度は日光浴させたいところ。

日光浴の時間は30~1時間程度がいいとされています。

 

ただ、日光浴の時間にこれといった決まりはなく、天気により、季節により、またインコちゃんの様子をよく観察しながらその日によって変えます。

しかし、30分以上の”直射日光”では多くの生き物で日射病になってしまいますのでそれ以上は避けましょう。

特に日差しの強い夏場は要注意です。

直射日光の指さない日陰でも、十分にビタミンD3は生成されるでしょう。

 

実はインコの日光浴を何分、どれぐらいするか、というのは専門家でも意見が違ってきます。

小型のインコなら10分でいいとか、或いは30分でいいとか。

また、晴天か、曇っているか天気によっても異なります。

 

参考までに天気による紫外線量の差を紹介します。

快晴時を100%とすると、薄曇りでは80~90%、曇りになると60%、雨ともなると30%程度の紫外線量になります。

紫外線量が少なければ、より長時間の日光浴が必要となるでしょう。

 

一番いいのは「毎日少しずつビタミンD3を摂取する」という考え方ではないでしょうか。

個人的には、週に1~2回まとめて日光を沢山浴びる、というよりは毎日10分でも良いので継続して浴びるのがよいと思います。

 

まとめて沢山浴びても、日光浴で生成されるビタミンDにはその時の上限があり、寝溜めと同じでビタミンDを溜めておくことはできないでしょう。

もちろん、毎日の日光浴はは難しいということもあるでしょうが、最低でも1週間に1~2度は日光浴をさせてあげたいですね。

日陰でも大丈夫?日光浴の注意点

窓際にインコのケージを置いておけば、インコにちゃんと日光が当たっているから日光浴できてる、そう思うかもしれませんが、実際はほとんど日光浴の効果はないとされています。

ガラス越しの日光浴ではビタミンD3生成に必要な紫外線がカットされてしまい、ビタミンD生成効果が大幅に下がるのです。

とくに最近の窓ガラスは紫外線カット率が高いので注意。

 

インコは”窓を開けて”日光浴をさせるのが大切です。

 

では、日陰での日光浴にも効果があるのでしょうか?

 

そこは大丈夫。

日陰にケージを置いても、太陽光の反射で十分に紫外線を浴びることができます。

が、一部の波長が届かない可能性もありますので、やはり晴れていれば直射日光も浴びさせるようにしましょう。

ただしケージの半分を日陰にするなどし、炎天下に放置することは絶対に止めましょう。

 

曇りの時も紫外線量は減少はするものの、しっかりと紫外線は地表まで届いています。

曇りの時は時間を長めに浴びさせてあげるなど、その状況やインコの様子で時間を調節するのが良いですね。

安全な場所で日光浴させてあげよう

日光浴は安全で落ち着ける場所でさせてあげましょう。

ケージごと出せば安全だと思い、ベランダなどの外に置いておくと、ネコ、ヘビ、カラスなどの外敵に襲われる危険があります。

ケージのほんの隙間からカラスがいたずらしたり、百舌鳥にのど元を…なんて話もあるそうです。

目の良い鳥たちは非常に遠くから、あなたのインコちゃんを狙っているかもしれません。

この辺にはそれらの鳥はいないし大丈夫、と思わず、日光浴を屋外で行う場合は必ず近くで見守る様にしましょう。

インコと一緒に日光浴するのもなかなか楽しいものです。

 

また、インコが自分でケージを開けてしまい、逃げてしまう事もあります。

こちらも、うちの子は力がないしそんなことはしない、といった過信は禁物。

初めてケージのドアを開けてしまうのがその日とも限りません。

 

こういった事を考えて、出来れば日光浴は、直射日光の入る網戸の傍の室内でさせてあげるのが最適でしょう。

しかし、部屋に直射日光が入らない場合はよ~く注意して外に出してあげましょう。

日光を長時間浴びさせないようにしよう

直射日光の元にケージを移動させて日光浴させる場合は、きちんと逃げ場(日陰)を作ってあげることが重要です。

ケージの半分は日陰になる様に置いたり、段ボールなどで日陰を作るのもオススメです。

 

ずっと炎天下に放置していたら、日射病や熱射病になってしまいますので気を付けましょう。

身体の小さいインコは直射日光を浴び続けると10分程度でも日射病になってしまうこともあるそうです。

インコを外に出したまま家事をしていて、出していたことを忘れてしまう、なんてことが無いようにしましょう。

 

危険を避けるためにも、日光浴中は飼い主が近くで腰かけ、見守る様にしてあげたいですね。

季節の変化による日光浴の注意点

天気によって紫外線量がかなり変わってくるのは先ほど紹介しましたが、季節によっても紫外線量はかなり変動します。

気温が高くて紫外線量の多い夏は、涼しい午前中に日光浴をさせたいところ。

直射日光が当たる場所はかなり熱くなるので、日陰で日光浴させてもいいでしょう。

 

逆に1年で一番紫外線量が少なくなる冬は、他の季節に比べても長時間の日光浴が必要となるでしょう。

また、寒いからと外に出さないのではなく、しっかりと外で日光浴させるのもポイントですね。

ただし、室内と外の気温差が余りにも激しい場合は、外に出しっぱなしにしておくのは止めておいた方が良さそうです。

身体の小さなインコにとってはかなりの負担になってしまうでしょう。

 

もしインコの体調が心配なら、後述する「スペクトラムライト」を使うのもオススメです。

日光浴がなかなかできない場合は?

インコを飼育してる環境は人それぞれです。

忙しく、どうしても日光浴する時間が取れない場合もあるでしょう。

そんなときは、スペクトラムライトを利用するという方法もあります。

スペクトラムライトはインコのケージの近くに設置し、インコに光を浴びさせる道具です。日光にとても近い光を発生させることが出来るので、室内でも日光浴と同様の効果を得ることが出来ます。

 

太陽の光を浴びるのが一番ですが、難しい場合はスペクトラムライトを使用しましょう。

外敵に襲われたり日射量になるリスクもなく、日光浴の時間も管理しやすいので、ベランダや庭がなくて外に出すのが難しい住宅環境の方にもオススメですね。


というわけで、インコの日光浴の方法についてまとめてみました。

日光浴は人間でも気持ちのいいものですが、本来大自然の中を飛び回っているインコにとっても、きっととても気持ちの良いものだと思います。

それにインコの健康にとってお日光浴はとても重要です。

しかしながら、リスクもたくさんあります。しっかり見守る様にして健康な日光浴をさせてあげたいですね!