インコの発情

飼育下にあるインコでも、オス・メス共に発情することがあります。

過剰な発情行動は体力の低下や健康面でのリスクになるので、なるべく抑えたいところ。

インコは発情行動の特徴や、発情を抑える方法を紹介します。

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インコが発情行動の内容や起こす時期

インコはその種類や個体によっても差があるものの、大体生後半年くらいで発情行動をし始めるようになります。

ラブバードなどは、おもちゃとして与えたインコの人形に発情することも!

インコの種類によっても違いがありますが、やはり大きな違いは性別です。

オスとメス、それぞれの発情行動を紹介します。

オスのインコの発情行動

  • 総排出腔(おしり)を止まり木やおもちゃなどにこすり付ける。
  • 食べたエサを吐き戻す。(吐き戻しは食べたエサをメスのインコにプレゼントするもので、発情期の求愛行動)
  • 暗いところ、狭い場所に潜り込もうとする
  • ケージの隅でじっとしている。
  • 怒りっぽくなる

メスのインコの発情行動

  • 尾羽根をピンと伸ばして体を反り返えらせたポーズをとる。
  • 紙類をちぎり、巣作りをする
  • 暗いところ、狭い場所に潜り込もうとする
  • ケージの隅でじっとしている。
  • 怒りっぽくなる

 

ちなみに我が家のアキクサインコぴこはメス。

ぴこは発情期にになると発情のポーズをとることが多くなり、ケージに敷いてある紙をビリビリに破ったりします。

ケージを掃除しようとすると、自分の縄張りをいじられるのが嫌なのかクチバシでつついてきたりもします。

いつもは噛むことなんていっさいないし、噛んだとしてもそれほど強くは噛まないのに、発情期にはけっこう強い力で噛んでくるんですよね。

噛まれると痛いくらい。血は出ないけど。

クチバシを広げて「カァーーーッ!!」と威嚇してくることも!

 

もうひとつ、特徴的な行動がとにかく狭いところに行こうとするってこと。

巣ごもりの欲求が強くなるためか、本や家具の裏に潜ってじっとしていることが多くなります。

あまりにも巣ごもり状態にさせておくと発情を誘発するので、そこから無理に出そうとするのですが、そうするとすっごい怒る。

 

これはこれで可愛いんですけど、あんまり発情はしてほしくないですね。

発情の弊害

繁殖を目的としない飼い鳥にとって、過剰な発情は病気の原因になったり、命を落としてしまう原因にもなります。

長期間発情が続くと、それだけで体力も消耗してしまいます。

発情の弊害はオスとメスで違いますので、それぞれの主要な弊害を紹介します。

オスの発情

インコの精巣は哺乳類の様に外に出ているのではなく体内にあります。

そのため、熱がこもりやすくなっています。

発情期間が長く続くと、精巣を上手く冷やすことが出来ず、腫瘍化しやすくなってしまうようです。

また発情期が長く続くと、総排出腔を止まり木などにこすりつけすぎて羽根が剥げてしまったり、血が出てしまう事もあります。

メスの発情

インコのメスはオスがいなくても無精卵を産みます。

産卵はとてつもなく体力を使うので、少なければ少ないほどいいです。

もしケージに産卵した場合は、しばらく卵を片付けないようにしてください。

すぐに片付けてしまうと、自分がまだ産んでいないと勘違いし、次々に卵を産んでしまい、インコが体力を消耗してしまいます。

種にもよりますが、通常1日か2日毎に1、2週間かけて5~6個産むと、産み終わるそうです。

更に、その後卵を抱く期間があります。メスが卵を温めなくなったら様子をみて取り出すようにし、産卵時期が終わるまでは、ケージ内の掃除なども控えて、そっとしておきましょう。

 

また、卵が体内に出来ていても上手く産卵できずに詰まってしまう場合があります。

卵詰まりになると、ケージの扉を開けても飛ぼうとせず、隅の方でうずくまっているなどの行動が現れます。

卵詰まりの原因は、カルシウムやビタミンなどの栄養不足。

他に高齢や産卵には若すぎるインコにも多くみられます。

卵づまりを予防するには、普段からボレー粉でカルシウムを摂取させましょう。

日光浴やビタミン類の豊富な野菜・果物も重要です。(主食がペレットであれば不要です)

発情期の抑制方法

夜は暗くしてあげよう

発情行動は明るい時間が多いと増えると言われています。

飼育下にあるインコは人工的な光に包まれているので、自然のインコよりも明るい環境に置かれる時間が多い分、発情行動も多くなりがちです。

発情行動を防ぐためにも、もし日が落ちたらインコも同様に暗くしてあげるようにしましょう。

なるべく早く暗くし、寝かせるようにします。理想的には夕方の5時か6時くらいには暗くして、静かな所において眠らせるのがよいでしょう。

家族がいるところで布だけ掛けても、寝かせていることにはなりません。

また暗くするには、完全に遮光し、一度暗くしたらちょっとでも光が入らないようにしなければ効果が出ません。

 

発情が酷い場合は1日の日照時間を8時間以下にしましょう。

夜も明るくしてあげよう

「夜は暗くする」と真逆ですが、24時間ケージを明るくするというのも発情の抑制に有効です。

これはケージを自分の巣だと思ってるインコや、狭い場所、暗い場所に潜り込もうとするインコ有効。

24時間、ライトで明るくしておくと、ケージを巣箱と思うのをやめさせることができ、発情も抑えられます。

 

ライトで照射するとケージの気温が上昇します。

ケージ内が暑くなり過ぎないように注意しましょう。

季節感を感じさせよう

インコは寒い冬には繁殖しようとしません。逆に春先や秋など、インコにとって暖かい気候で発情しやすくなります。

飼い鳥はクーラーなどで一年中快適な気温の中で生活できる場合が多いです。

そうなると、発情もしやすくなります。

 

温度による発情を防ぐには、気温の変化による季節感を感じさせるようにします。

夏は暑く、冬は寒い環境。

もちろん、暑すぎると熱射病になってしまいますし、寒すぎると体力が落ちて病気になってしまいます。

ですが、インコはある程度は暑さや寒さに耐えれるので、若鳥や老鳥、産卵を控えた鳥以外は過保護に温度管理する必要はないと思います。

発情の対象を遠ざけよう

インコの発情の相手は、同じ家で飼われているインコや飼い主、おもちゃやエサ入れと、幅広く対象になり得ます。

もし発情の対象物に思い当たるのなら、その対象をインコから遠ざけて目に入らないようにしましょう。

お気に入りを取り上げてしまう形になりますが、インコちゃんのためにしっかり対応する必要があります。

飼育者が発情対象の場合は対応が少し大変ですね。

過度のスキンシップは控えよう

インコと飼い主が仲が良い場合、特に一匹だけで飼っている場合、インコは飼い主の事を大切な仲間と思っています。

そうなると、飼い主も発情の対象となってしまいます。

 

飼い主に対して発情行動を行っている場合は、接触する回数を減らすとか、「かまってよ~」と飛んで来ても、無視するなどの対応をしてみましょう。

少し寂しいですが仕方がありません。

あまりにも発情がひどい場合は他の家族に世話を手伝ってもらわなくてはならなくなります。

 

また、インコのメスは背中をなでると、それが交尾刺激になってしまい発情を促してしまうので控えましょう。

クチバシをさわるのも交尾を連想させる可能性があるので、控えた方が良さそうです。

粗食に!脂質の多いエサは与えないようにしよう

発情するということは、栄養状態が良好で、安全で安心できる環境であること。

飼い主としては、大切に育てていることの照明ともなりますが、発情のし過ぎは危険。

 

いままで無尽蔵にエサをあげていたとしたら、与えるエサの量を減らすことで発情を抑えることができるかもしれません。

また、エサの内容も重要。

脂質の多いエサを与えると発情を誘発する可能性があります。

具体的にはシード系のエサですね。

種には脂質がたっぷり。

もし発情の兆候が表れたのなら、ミックスシードなどを与えるのは控えて、ペレットなどを与えた方がいいでしょう。

 過保護はやめよう

野生のインコは常に危険がいっぱいの大自然に生きています。

対して人間に飼われているインコは一年中快適な気温で、生命の危険もなく、食べ物もたくさん食べられます。

そんな過保護すぎる環境は発情を促してしまうようです。

 

たまにケージを置いている場所を変えてみる、家の中の知らない場所に連れていく、脂肪分の多いシード類のエサをペレットに替えてみるなどしてストレスを与えてみると、発情を抑制できる場合があります。

ただし、ストレスの与えすぎには気を付けましょう。

関連記事:病院の先生に「インコをいじめてください」とアドバイスをいただきました。

正常範囲の発情行動は見守ろう

犬や猫であればリスクを考えて、去勢手術することもできますが、残念ながらインコに対しては現在不可能です。

そもそも生き物全般において発情行動は自然の生理現象です。人間の都合を押し付けるのは止めた方がいいでしょう。

インコの場合、発情は年に2回までが望ましく、1か月以上発情が続くのは過剰とされています。

リスクはあるものの、春、秋に起きる発情行動は正常範囲と捉え、上手に対応し、見守ってあげるようにしましょう。

 

酷い場合は獣医師に相談を。

あまりに発情が長引くと命の危険すらあるので、ホルモン治療を施す必要もあります。

普段からインコの様子をよく観察して、体調が悪いようであればすぐに対処しましょう。

 

ちなみに我が家のぴこは、生後1年で初めて卵を産んでからというもの、毎年無精卵を産み続けています。

「この小さな身体のどこにこんな卵があるの!?」

ってくらい、たくさん産んじゃうことも。

今のところ、卵を産んでも行動に変化はなく元気なので心配はしていません。

ですが、やっぱり卵を産むと体調が心配になりますね。

なので発情期には、体調不良っぽくないかをしっかりと観察しています。

ぴこ、たまごを産む数が劇的に減る!!

追記:もっとも効果のあった発情予防の方法

我が家のぴこはだいたい2~3月くらいに発情してタマゴを生むことが多いです

ぴこはだいたい2015年の春に生誕したので、生後1年ではじめて卵を産みました。

その産卵の歴史がこちら。

出産時期産卵数
2016年3月3個
2017年1月~2月合計6個
2018年3月2個
2018年8月2個
2019年3月3個
2020年0個
2021年1個
2022年1個

特筆すべきは2020年以降です。

2020年はタマゴを生むどころか、発情行動すらしていません。

 

なぜ発情行動を抑制できたのか???

 

おそらく、ケージの下に「フンきり網」を設置したからかもしれません。

フン切り網はケージを購入したときにセットで付いてきたのですが、ケージ内でインコがくつろげないだろうと思い設置していませんでした。

 

で、毎年ぴこが発情して産卵する頃になると、ケージのはじっこでうずくまってじっとしていることが多くなります。

フン切り網を設置すれば、そんな風にうずくまってじっとすることができなくなり、発情も抑えられるのでは…?

そう思い、設置してみたわけです。

 

獣医師さんもインコの発情を予防するには「快適な環境を壊すこと」が有効とおっしゃっていました。

アキクサインコぴこにとっては、「フン切り網を設置すること」が発情や産卵に適した環境を壊すことに繋がったようです。

 

毎年2~3月ごろになると端っこでジッとして、放鳥すると大きめのフンをしていたものですが、現在はちゃんと止まり木に止まっていて発情行動も見受けられません。

インコの性格や性別によっても違うと思いますが、我が家のぴこにとってはフン切り網の設置が効果的なよう。

発情行動を抑えるにはケージ内の環境を変化させるのがすごく有効なんだと改めて実感しました。

 

ちなみに2021年は1個だけ卵を産みましたが、その原因はステンレスケージに変えたからかもしれません。

今までのケージよりも一回り大きなステンレスケージにしたのですが、そのおかげで快適になり過ぎてしまったのかも。

ステンレスケージでもフン切り網を設置しているのですが、ケージ内の環境を整えるのは中々難しいですね。

インコの金属中毒予防にステンレスケージに変更して感じたメリットとデメリット